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ふじょしの渡世日記。主に旅の記録です。

金沢ハマダ旅におけるTIPS

 

 


 十一月中旬に、金沢へ二泊した。無論、ハマダの旅を心がけてきた。離れて、マスクで、黙りこくって、である。生粋の陰キャである私には、新しい様式でも何でもない、慣れた旅のかたちだ。
 そんな旅行の何が楽しいのか、と聞かれることがあり、いつも何を伝えていいかわからない。
 一人旅には、より純化された、旅そのものの楽しみがある。誰かと旅を共にすれば共感や興奮にたやすくかき消されてしまう、淡く、しかし深い楽しみだ。料理の中間生成物としてのブイヨンやお出汁を塩気なしでそのまま吸う的なことである。
 なんてことを心のままに答えると、相手の目がちょっと冷たくなって「まあね、人と旅行すると、色々気を使わなきゃいけないもんね。ノイズといえばノイズか」という反応が返ってきたりする。それで初めて、以前旅行をして気まずくなった相手だということを思い出し、冷や汗をかいたりもする。会話って難しい。
 しかし、一人旅の楽しみは、何もノイズが少ないというだけのことではない。金色に澄んだお出汁をすうっと口に含むことには、オイスターソースやマヨネーズとは別種の喜びがある。

 

 以下、有用と思われるTIPSを書き出した。他の記事は私の日記であり、有益な情報はなにひとつ含まれていない。

 

・東京ー金沢の新幹線
「かがやき」「はくたか」があり、「かがやき」は停車駅が少ないためそのぶん速い。普通車の座席は2ー3の配列になっており、ソーシャルディスタンス的には3の窓側が鉄板と思われる。全席に電源があり、最高。東海道新幹線には見習ってほしい。
ハマダ旅的には飲食はしないか、人のすくないときを狙って食べるのがよいのではないかと感じた。

 

・ホテル(ホテルマイステイズ金沢プレミア)
金沢のホテルは香林坊(メイン観光地近く)または駅近くに集中しているのだが、結論、香林坊近くをお勧めする。観光地が徒歩30分圏内にまとまっているという猛烈な利点が駅近ホテルを選ぶことにより激減する。駅近はビジネス客向けであろう。
マイステイズ~は駅近くにあるビジネスホテルで、全室スイートタイプの30平米↑、でかいベッドがズドンと鎮座している日本っぽくないホテルである。海外旅行感を求めてこのホテルを選び、堪能したが、気になる点もあった。
・いい耳栓を持参されることをお勧めする。エレベーター横の部屋だったが、「下へ参ります」の音声が部屋からはっきり聞き取れた。ビジネスユースの一人客向けなのだろう。
・ベッドサイドにある時計、アラームのオンオフつまみが本体の裏側にある。止め方がわからず絶望的な気分になった。
それと、二泊したが、チェックアウト日だけ朝6時にアラームが鳴った。事前に同様の口コミを見ていたので「これか……!」と思ったが、チェックアウト日だけアラームが鳴るよう設定しているとすると、芸の細かさに震えてしまう。もう一回泊まって検証してみたいものである。

 

・観光パス系
サムライパスポート(1000円/2日)とバス1日乗車券(600円)を買ったが、個人的にはどちらも不要だった。
金沢の文化施設は入場料が爆安なので四施設まわっても元が取れない可能性がある。よく比べたい。兼六園鈴木大拙館に入り浸るには便利。
バスは3回乗ってようやく同額、そもそもハマダ旅的には密でやな感じであった。一人旅の時代であり、徒歩の時代でもある。

 

21世紀美術館(のプール)
施設オープンの9時~展示オープンの10時の間、チケットカウンター列あたり、(ガラス越しではあるものの)無人のプールを撮影可。
美術館に限らず、どの施設も9~10時が空いているので、じっくり見たい施設は朝イチをお勧めする。

 

クラフトビールショップ「フウタズ」
クラフトビールを飲みに行ったのだが、目がメニューに釘付けになってしまった。
あまりに魅惑的なメニューで、二日連続で行こうかと思ったが、二日連続で来た客とはより話さねばならない感じがするし、お店の方も観光客と喋りたくない時節ではなかろうか……と思い、取りやめた。飲食時に使えるマスクの開発が待たれる。

 

内灘海岸
金沢駅から電車で15分、駅から歩いて15分の場所にある。砂浜の異常に広い、誰もいないビーチ。刺さる人には刺さると思われる。
日暮れ頃になると車が砂浜にガンガン入ってきて(これは見たことのない風景だった)、サンセット観覧と相成るが、それも10台くらいである。近くにセリアの入ったマックスバリュがあり、お手洗いも借りられる。